おでんくんの60秒
60秒―—
それは神がおでんくんに与えた時間だ。
おでんくんはスペースでの衝撃的な告白をした後、スペースで次のようにカムアウトしたのである。
おでんくんによれば、コロナワクチンを接種して以降、体の反応が敏感になり、異性の手を握るだけで下半身のおでんくんが反応するようになってしまったというのだ。
それだけではない。実戦での活動時間も1分程度しかもたないというのである。
1分を満たずに事を終えるようなケースもあるという。
悲劇としか言いようがないだろう。
しかし、おでんくんは悲壮感はない。
むしろ理不尽を積極的に受け止めて、自分の運命と向かい合っているようにも思える。
60秒で尽き果てる事実を公にしてしまえば、アポイントの面では不利なはずだ。
しかし、おでんくんは勇気をもって告白したのである。
その勇ましい佇まいはギリシャ悲劇の英雄を見るようだ。
界隈イベントの副反応
おでんくんの勇気ある告白で私が思ったのは、ワクチンの副反応のように、何事にも表と裏があるということだ。
ワクチンよってコロナに対する耐性を獲得する代わりに、おでんくんは女性と肌を合わせる時間を大幅に失った。
ところで、ここのところのハプニングバー界隈を見渡すと、「界隈イベント」とでも呼ぶべき、店舗の箱貸しが増えていることに気づく。
界隈インフルエンサーのフォロワー数は1万人を超え、すでに店舗よりも大きな影響力を持つ。
店舗ではなくインフルエンサーにお客が付く時代である。
どうやらコミュニティの中心が現実の店舗から、SNSのインフルエンサーに移行しつつあるようだ。
そのような時代にあって、ハプニングバーが提供できる価値は何だろうか?
それに応えるための模索は始まったばかりのように思える。
集客の手段も多種多様化することであろう。
試行錯誤の時期であるため、批判が先行するような風潮は双方にとって望ましくないはずだ。
しかし、界隈イベントにも副反応があるということは忘れてはならない。
おでんくんのワクチン接種のように——
【了】
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2022/10/24公開