追記(2022/12/14)
ここのところ、本コラムのアクセスが増えていることから、初見の方のために、現状を踏まえた内容を追記のかたちで補足したい。
現在、もともとアフロディーテ(閉店済)のあった場所には、ノンハプバーもぐらが移転して営業している。
今までと業態は変わらないものの、下記コラムで記したとおり、スペースは拡がり、設備も充実してのリニューアルとなった。
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【シン・もぐら】夢の続き
そして、ノンハプバーもぐらのあった場所は、「旧もぐら」と呼ばれ、イベントもぐらという新しい形態のお店がオープンしているのである。
(アフロディーテのTwitterアカウントはイベントもぐらが流用しているようだ)
詳細は下記コラムに譲るが、もぐら常連、もぐらスタッフOB、裏垢界隈などが一日レンタルで使用するイベントバーになっているのだ。
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【錦糸町の新たな歴史】イベントもぐらローンチ
同時期に近隣にあったノーダウトもバーに業態転換している。
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【錦糸町ショック】ノーダウト、7月末にアフロディーテと同時閉店
たった一年のあいだで、アングラとしての錦糸町は大きく変貌した。
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【錦糸町転生】ハプニングからフェティッシュへ
そして、かつてこの街が担っていた役割は、現在は上野が引き継いでいるというのが、私なりの現状認識である。
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【秘史解禁】上野のアングラ全史
下記のコラム本文はサキュバスという一つのお店を通じて、錦糸町のヒストリーを私なりに描き出したものである。
サキュバスの物語を通じて、物事の移ろいやすさや儚さのようなものを感じとっていただければと思う。
刹那の物語である。
はじめに
寝耳に水とは、正にこのことだった。
昨夜、オープン1周年を目前にしたハプバーが7月末でのクローズを発表した。
錦糸町のアフロディーテである。
7月9日のオープン1周年を直前に控えてのアナウンスだった。
しかし、閉店理由はノンハプバーもぐらの店舗移転とある。これはどういうことだろうか?
今回のコラムでは、前身となったサキュバスの歴史と併せ、一本の時間軸でアフロディーテの実像に迫りたい。
「アフロディーテとは何だったのか?」
サキュバスの歴史を紐解く
実はアフロディーテの前身となる店があった。
サキュバスである。
そして、サキュバスは現在のアフロディーテとビル(ロイヤルガーデン8 2階)で営業していたのだ。
ここではサキュバスの歩んできた道のりを簡単になぞっていこう。サキュバスは2016年4月28日にオープンした。

実はオープン当初は、現在のアフロディーテの店舗と同じ通りにある2つ隣のビル(プラザイレブン 5階)に店舗があったのだ。

しかし、ビルの取り壊しによる立ち退き(HOTEL BAMBOO GARDEN 錦糸町になった)により、2018年7月28日に同ビルでの最終営業を経て、
2018年8月3日より、現在のアフロディーテが入居しているビルで営業を再開する。
その後はコロナによる営業自粛を挟み、2021年6月30日に営業を終えたのだ。
しなしながら、それから少しの間をおいて、同年7月12日、同じ場所にハプバーがグランドオープンした。
それがアフロディーテである。
アフロディーテとサキュバスの連続性
このようにサキュバスとアフロディーテは2つの建物を経由して、同一の時間軸に存在していたのである。
サキュバスからアフロディーテに店名が変わり、スタッフとお客さんは入れ替わったもの、同じ建物で同じオーナーによるハプバーであったのだ。
このようにサキュバスとアフロディーテには、資本的・空間的に連続性が認められるのである。
そう考えると、2018年8月3日にサキュバスが現在のビルで営業を始め、後継のアフロディーテが2022年7月30日に営業を終了したしたとすると、同じ建物で4年間にわたりハプバーが営業されていたのである。
さらに、資本的な視点で、サキュバスとアフロディーテを連続的に考えれば、サキュバスは2016年4月28日にオープンしているので、6年間もハプバーが続いていたとも考えられるのだ。
物語の終焉
このように6年間に渡って、紡がれてきた物語は7月末で幕を閉じる。
8月中旬にはノンハプバーもぐらが移転して営業するのだ。
サキュバスからアフロディーテに変わった時と同じように、同一の資本・空間での営業なので、連続線上の物語は続くのではないか?
「違う」と私は考える。
あえて詳しい理由は延べないが、そのように考えるのは、それがハプバーコラムを書くことの意義であり、コラム自体のレゾンデートル(存在意義)でもあるからだ。
5月末には新宿クリプトがクローズし、同じ場所・同じ店名でバー(通称「モリプト」)がオープンした。
新宿に続き、新しい物語が錦糸町でも始まるのである。
しかし、錦糸町の物語は最終章としてまだ続く。7月9日には、最後のサキュバス同窓会が開かれ、
7月23日はオサム店長の誕生日ともに、人生の新たな門出を祝し、
7月30日と31日に、乱痴気騒ぎでグランドフィナーレを迎える。
さて、物語の内容は人それぞれが決めることだから、ここでそろそろ筆を置くことにしよう。
オサム店長と新たな物語のスタートを祝して
【了】
【履歴】
2022/6/29公開
2022/09/11新サイトへ転載