6月4日、ウベアがグランドオープンを迎えた。
先にプレオープンしたもう一つの“O”より、一足先に本格的に営業を開始したのだ。
もう一つの“O”とは、同じくカラーズをルームに持つオフホワイトのことである。
なお、二つの“O”の関係や、それぞれのルーツであるカラーズとの繋がりについては、以下のコラムをご参照いただければと思う。
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【錦糸町ショック】ノーダウト、7月末にアフロディーテと同時閉店
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【徹底検証】一連のカラーズ騒動を振り返る
さて、今回は前回のコラムが好評であったため、2つの”O”のストーリーの続編をお届けしたい。
冒頭に話は戻るが、なぜ後にプレオープンしたウベアがグランドオープンし、オフホワイトは未だにプレオープン営業なのか?
実は24時を過ぎて営業し、お酒を提供するためには許可を得なければならないのだ。
第三十三条 酒類提供飲食店営業を深夜において営もうとする者は、
営業所ごとに、当該営業所の所在地を管轄する公安委員会に
、次の事項を記載した届出書を提出しなければならない。
風営法
推測であるが、歌舞伎町は大久保より審査が厳しいため、深夜の酒類提供飲食店営業許可が降りていないのではないか。
その後の調べによれば、深夜営業開始が遅くなったのは、申請関係ではなく採用など本格的な営業開始に時間をかけたのが理由であるようだ。
おそらくは、歌舞伎町が条例で、「営業延長許容地域」に指定されており、特例で25時まで延長できるため、これに倣って、25時クローズにしているものと思われる。(もっとも風俗営業ではなく、飲食店での営業であると推測される)
第十三条 風俗営業者は、深夜(午前零時から午前六時までの時間をいう。以下同じ。)においては、その営業を営んではならない。ただし、都道府県の条例に特別の定めがある場合は、次の各号に掲げる日の区分に応じそれぞれ当該各号に定める地域内に限り、午前零時以後において当該条例で定める時までその営業を営むことができる。
一 都道府県が習俗的行事その他の特別な事情のある日として当該条例で定める日 当該事情のある地域として当該条例で定める地域
風営法
二 前号に掲げる日以外の日 午前零時以後において風俗営業を営むことが許容される特別な事情のある地域として政令で定める基準に従い当該条例で定める地域
第四条の三 法第十三条第一項ただし書
の条例で定める時は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める時とする。
東京都風営法施行条例
一 法第十三条第一項第一号に該当する場合 午前一時以後であつて地域の区分ごとに規則で定める時
二 法第十三条第一項第二号に該当する場合 午前一時以後であつて規則で定める時
ウベアとオフホワイトは徒歩10分程度の距離であるが、大久保と歌舞伎町という場所柄が明暗を分けたといえる。

そして、これも推測になるが、ウベアが取得した営業許可は、深夜の酒類提供飲食店営業ではなくて、特定遊興飲食店営業ではないだろうか。
第二条 この法律において「風俗営業」とは、次の各号のいずれかに該当する営業をいう。
11 この法律において「特定遊興飲食店営業」とは、ナイトクラブその他設備を設けて客に遊興をさせ、かつ、客に飲食をさせる営業
(客に酒類を提供して営むものに限る。)で、午前六時後翌日の午前零時前の時間においてのみ営むもの以外のもの(風俗営業に該当するものを除く。)をいう。
風営法
第三十一条の二十二 特定遊興飲食店営業を営もうとする者は、営業所ごとに、当該営業所の所在地を管轄する公安委員会の許可を受けなければならない。
風営法
以下のツイートを見る限り、取得に特別の苦労をしたことから、そのように推測できるのだ。
蛇足ではあるが、いわゆるルームには鍵を掛けてはいけないことになっているが、法律上、どのようにクリアーしているのか。実はルームを客室扱いせずに倉庫のような扱いにしているのだ。(どこのハプバーもおなじである)
第七十五条 法第三十一条の二十三において準用する法第四条第二項第一号の国家公安委員会規則で定める技術上の基準は、次のとおりとする。。
四 客室の出入口に施錠の設備を設けないこと。ただし、営業所外に直接通ずる客室の出入口については、この限りでない。
風営法施行規則
オーナー自らが法律や条例を勉強することは、これからのハプバーのセキュリティ戦略になっていくように思う。
その点、ウベアのリーガルに対する意識は他店を圧倒的リードしている。
楽園も法律を遵守する時代なのである。
【了】
【更新履歴】
2022/06/10公開
2022/09/23新サイトへ転載