水と焼酎を取り違えて営業していた件(2022/02/19 追記)
上野パピヨンは、にわかには信じがたい衝撃的事故を公表した。
加湿器用にストックしていた水を焼酎と間違えていたというのである。
つまり、当日の営業では「緑茶ハイ」ではなく「緑茶の水割り」、「烏龍ハイ」ではなく「烏龍茶の水割り」が提供されていたのだ。
さらに驚くべきことは、水で薄められたお茶を飲んでいたお客さんが酩酊していたというのである。
(そのため事故の発見に時間がかかったようだ)
もっとも幸いなことに、加湿器に焼酎を注入し、アルコールが店内に噴霧されるという惨事は免れたようである。
しかしそうであればこそ、水で薄めたお茶を飲んだお客さんがベロンベロンになっていたという状況は珍事としかいいようがない。
しかしこの珍事は物事の本質を示唆しているように私には思えるのである。
それはハプバーという空間におけるお客の行動は、アルコールが支配しているわけではないということである。アルコールではない何かの力によって、お客の精神状況が変容し、ある種の非日常的な感性が解放されると考えられるのだ。
その力の有無こそが店の実力といえるのではないだろうか。
今回の一件について、事故を公表し謝罪した同店店長の姿勢は評価できるほか、加えてある種のポテンシャルも感じさせる結果となった。
同店店長はもぐら周年イベントにも参加し、その後は錦糸町の老舗店にもあいさつで顔を出したとのことである。
このような律儀な姿勢が、事故をポジティブな話題に変えることに繋がったのではないだろうか。
禍を転じて福と為す
とは正にこのことである。
パピヨン店長は界隈のリンカーンとなった(2022/12/31 追記)
government of the people, by the people, for the people
エイブラハム・リンカーン(アメリカ大統領)
上記引用は「人民の人民による人民のための政治」の翻訳で知られ、リンカーン大統領が、南北戦争中にペンシルベニア州のゲティスバーグで行った演説の一説である。
第4回 東京ハプバーランキングを制し、上野パピヨン店長は高らかにこう宣言した。
「お客のお客によるお客のためのハプバー」
パピヨン店長は東京ハプバーランキングで優勝すると、公約のとおり、まずは優勝を辞退した。
そのうえで、決勝を進出したお店以外での再戦を要求したのである。
再戦要求こそ叶わなかったものの、勝敗の無効を宣言することとなった。
ワイワイ系 / しっとり系
新規 / 常連
大箱/ 小箱
勝利 / 敗北
様々な二項対立を乗り越えることがパピヨンの東京ハプバーランキングの目的であったように、今となっては思える。
そして、東京ハプバーランキングの最中に発表があったように、ハプバーをSNSから解放することも目的であったと考えられるのだ。
プライバシー保護やトラブル防止の観点からTwitterのフォロワーを解除し、Twitter割引も廃止するというのだ。
一連の発表の真意は何だろうか?
「ただお客様の為に」
それが全ての理由であったのだ。
リンカーン大統領が南北戦争で奴隷解放を目指したが、パピヨン店長は、ハプバーのSNSからの解放を宣言し、お客のためのハプバーを訴えた。
パピヨン店長は界隈のリンカーンとなったのである。
happening bar of the customer, by the customer, for the customer
パピヨン店長
追記(2022/11/19)
本コラムは5月に阿部店長の誕生日をあわせて公開したものである。それから半年経った今、PVランキングに上がってくるなど、本コラムが再び注目を浴びている。
半年ぶりに注目を浴びたコラムについて事情を説明するのは執筆者としての責務であるように私は思う。そのような経緯で今回はコラムに追記させていただいたというのが、ことの次第である。
さてコラムの注目の高さは、同店の関心度や知名度の高さを示しているように思える。
オープン1年半を前に、パピヨンは加速度を伴いながら、着実に安定軌道に乗っていると考えられるのだ。以前よりコラムで記していることであるが、この業態で集客できるようになるには2年の期間を要するというのが通説であった。
パピヨンは業界の常識を見事に覆したのである。お節介ながらも、そのような成功の秘密について、今回はコラムを補足することで迫っていきたい。
もっとも、成功の答えはコラムのタイトルにある。
「パピヨン阿部店長はハプバーの未来を見据える」
勝因は阿部店長の先見性にあった。
具体的には
- SNSを通じたマーケティング戦略の展開
- 界隈インフルエンサーとのコラボによるイベントの開催
の2つが成功要因ではないだろうか。
店長アカウントのTwitterで積極的に発言してフォロワーを増やしたり、フォロワー中で知名度の高いインフルエンサーとのイベントを開催してきたからだ。
パピヨンがそのような試みの先駆者であったことは論を俟たないように思う。
しかし、そのような先見性の+αの部分にこそ、成功の鍵が隠されているように思えてならないのだ。
それは言葉にしてしまえば陳腐になってしまうような、努力や義理の賜物であるように私には思える。
例えばオープン1年目に身内の訃報に接しているが、営業を優先し、帰郷に十分な時間を割くことが出来なかったようである。もっとも最近になって、集客も安定し、スタッフも増えてきたので、故郷に錦を飾ったようだ。喜ばしいことであると同時に、店を開くことの厳しさを痛感させられる。
またかつて上司と部下の関係であった、美女と野獣マスターの復帰イベントにも参加するなど義理の堅さを感じさせる一幕もあった。
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【師弟コンビ復活】界隈の全ては義理と人情で出来ている(SNSの全ては嘘と損得で出来ている)
以前のように四六時中お店にいることはないだろうが、そのような店長の想いはお客さんにも伝わり、超えてはならない一線に足を踏み入れることを止まらせているに違いない。それが店のいい雰囲気を作り出し、いいお客さんを呼び込む好循環になっているのだ。
追記にしては文章も長くなったので、そろそろまとめに入ろう。阿部店長は仲間と共に、いわゆるしっとり系と呼ばれる店舗が多いイメージの強かった上野の地に、覚悟と自信と不安を持って切り込んでいった。
その結果、上野は新しい息吹を与えて若返り、錦糸町に代わって、新宿に次ぐハプニングバーのメッカとなったのである。
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【秘史解禁】上野のアングラ全史
同時期にオープンしながら、惜しまれつつもすでに看板を下ろしている店があることを考えると、決して平坦な道のりではなかったはずだ。
来店も今まで以上に上野を盛り上げてくれるよう、更なる躍進に期待したいところである。
阿部店長の誕生日、パピヨンの誕生日
パピヨン阿部店長、お誕生日おめでとうございます。
パピヨン店長の阿部氏が5月1日に誕生日を迎えたので、まずはお祝いの言葉を贈らせていただいた。もっとも、パピヨンのオープンが6月1日なので、本人にとっては前祝いという気持ちなのかもしれない。
Twitterでは続々とお祝いの書き込みが増えており、阿部店長も丁寧にリプライを返している。人望の厚さと律儀さを窺わえる。
今回はパピヨンを紹介するとともに、僭越ながら、阿部店長のツイートを分析することで、その実像に迫ろうと思う。
阿部店長は2020年11月に店長を務めたカラーズを退職し、2021年6月に上野・御徒町にパピヨンをオープンさせた。
当初は古巣カラーズとの確執が取りだたされ、カラーズの常連はパピヨンに行ったら出禁になると噂されていた。
しかし、2022年3月30日、スタッフが刷新された直後のカラーズへ訪問していることから、両者の関係は修復されたと見る向きが多い。パピヨン来店によるカラーズ出禁は解除になったのである。
コロナ禍による自粛営業や、ビル側の問題による修繕工事に伴う休業を経て、Twitterのハプバーランキングで優勝するなど話題を提供し続けており、6月にはいよいよ1周年を迎える。
なお、店の雰囲気はハーネス東京、ラスク、ハニートラップといったしっとり系の多い上野・御徒町エリアで、カラーズの流れを汲んだ本格的なワイワイ系ハプニンブバーという印象である。
オープン1年にも満たないが、順調に集客しているようだ。
ここまでがパピヨンの概略的な説明である。
このようにコロナ禍において、店の経営を軌道に乗せたのは、阿部店長の手腕といっても過言ではないだろう。フォロワー数の多さを見てもわかる通り、SNSによるマーケティングに長けているのである。
愛妻家としての実像
続いて本論であるが、阿部店長の実像について、ツイートを引用することで明らかにしていきたい。直近のツイートであるが、いわゆる界隈バーからは距離を置くスタンスであることが分かる。
また無類の嫁好きであり、事あるごとに美人嫁アピールを欠かさないのである。これには羨ましいとしか言いようがない。
そして、店の特定客への警告であるのか、界隈全体への警鐘であるのが判断できないが、現在のハプバーの在り方について、疑問を抱いている様子が窺える。ハプバーで女性の感情を弄ぶ行為を厳しく指弾しているのである。
昨今のハプバーにおいて、ルームが回っていないことを憂いてもいるのだ。
さらには、バチボコや脳イキのようなプレイにも否定的な態度を示す。
ハプバー業界に身を置きながらも、考え方は保守的なのである。
また、Twitterで繋がり、店外でオフ会を開くような行為には警告を発している。SNSをマーケティングで活用しつつも、どこか一線を置くようなバランス感覚があるのだ。
さらには、ここまで注目を浴びておきながら、店内においては、場を回したり盛り上げたりするようなことはせずに、あくまで責任者として振る舞うのだ。
それは店長が中心になって賑わうような店では長続きしないと考えているからであろう。将来のビジネス展開を見据えたポリシーである。
このようにツイートで振り返ってみると、阿部店長は矛盾を抱えた男である。
それはハプバー業界に身を置きながらも、無類の嫁好き、SNSマーケティングは得意であるが、裏垢とは距離を置く。
エロは好きだが、バチボコや脳イキなどのプレイには消極的、ハプバーランキング優勝で、入場料を半額にするなどの思い切りの良さはあるが、元々の考え方は保守的、大雑把なようで繊細といった二面性になって現れる。
そのような矛盾のなかにあって、バランスを取り続ける不思議さが阿部店長の魅力であり、その人となりがパピヨンには体現されているのだ。阿部店長そのものがハプバーというわけである。
未来のハプバーについて思い描き、界隈を驚かせる何かを考えているに違いない、そう思わせるだけの何かが阿部店長にはあるのだ。
来月に1周年を迎えるパピヨンの動向には今後も目が離せない。
阿部ファンの一人として、是非ともご来店いただければと願うばかりである。
【了】
【更新履歴】
2022/05/01公開
2022/09/17修正
2022/09/17新サイトへ転載
2022/11/19追記