オープン当初にコラムで取り上げたハーネス東京が好調のようだ。まだ来店する機会には恵まれていないが、人気の秘密について分析していきたいと思う。
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【店舗分析】女性有料化の上野新店、ハーネス東京はゲームチェンジャーになるか
ハーネス東京については、当初は女性有料化と上野・御徒町という激戦区での男性料金の強気な設定に対して、懐疑的な意見が多かったように思う。筆者も上記コラムで批判的な内容を書いたし、もぐにんさんもYouTubeでは厳しくコメントしていた。
それは内装が豪華なだけでは、お金を払って来る女性はいないし、人気の近隣店より高いお金を払って、人の少ない新店に来る男も少ないだろうという趣旨の主張であり、筆者も同意見であった。
そのように思ったのは、以前に豪華な内装で、VIPルームの使用料を10万円(正確な金額については定かではない)程度の高額に設定していた店があったが、早期にクローズしており、ハーネス東京も同じ轍を踏むと考えたからだ。
このような事例により、ハプバーのセオリーから外れた営業スタイルは上手くいかないという先入観が強く、特に女性有料化については、集客の阻害要因になると思っていたのだ。
しかし、掲示板の書き込み状況やTwitterでの反応、そして、ハプバーで直接の聞いた評判を総合すると、それは杞憂に終わったようだ。女性が有料で男性が高い料金設定であっても、オープン2週間程度で集客が安定しているからだ。
なぜ想定外に好調なのであろうか。Twitterでの反応を調べてみると、あることを見落としていることに気づいた。それは優秀なスタッフが高いホスピタリティを提供しているという点である。
どうやら容姿と接客レベルの高いスタッフが多数在籍しているようなのだ。そうであれば、価格設定については、店の内装費だけでなく、人件費にも応じた水準であると理解できるだろう。
コンセプチュアルな内装と選ばれたスタッフにより、高いクオリティのサービスが提供されれば、女性にとっても、3,000円という料金は違和感はないかもしれない。
雰囲気を重視した女性向けのファティッシュバーの料金はもう少し高いし、機会があればコラムでも取り上げるが、ハプバー関係者が経営するいわゆる「界隈バー」に自分のお金で通う女性も多い。つまり、女性も経済的に自立し、自分自身のイニシアティブで大人の遊びを楽しむ時代になったということなのだ。
ハーネス東京が好調な理由は優秀なスタッフを採用したことにあると分析したが、ここではハプバーにおけるスタッフの重要さについて一度考えてみたい。店の営業方針によって、要求されるスタッフのタイプは様々であり、一概に比較するのは難しい。それはみんなで楽しむワイワイ系と落ち着いて大人の会話を楽しむシットリ系とでは求められるスタッフの資質も大きく異なるからだ。
そうであっても、仕事に対する姿勢というのは共通して評価することができるだろう。極端な例ではスタッフがダーツで遊んでいたり、配慮不足により、場の雰囲気を壊してしまうようなお店もある。そのような店は当然に評判が悪く集客力もない。
また、優秀なスタッフが揃っていて、貴重な時間を楽しく過ごすことができれば、料金については大きな問題ではないように思う。お寿司屋さんを例に挙げると、回転寿司と銀座の鮨屋なら、値段は10倍以上の開きがあるが、ハプバーの場合は倍も違わない。
しかし、その割に、得られる満足感は寿司屋もハプバーも、天と地の差であるのだ。もっともハプバーに何を求めるかによるが、クオリティの低い店に二度来店するのと、ある程度のクオリティが保証された店に一度来店した場合の費用が同程度であった場合、どのように考えるだろうか。一つ言えるのは、人生でもっとも貴重なものは時間であるということだ。
男性であれば、一回の入場料を意識して、運が悪かったと次の週末にまた来店してもいいだろうし、女性であれば、タダでお酒が飲めて、貰ったQUOカードで帰りにコンビニで弁当が買えるので、週の大半を店で過ごすのもいいだろう。
あるいは、Twitterでハプバー界隈の人たちとやりとりすることに時間を費やす日常を過ごし、週末に同じような仲間達と来店して、非日常を楽しむのもいいだろう。価値観は人それぞれである。
しかし、そのような発想から距離を置きつつ、秘密の世界に足を踏み入れることに、大人ならではのクレバーさや、新しい価値観を見出すことは出来ないだろうか?
ハーネス東京には、オーナーからのそのような問い掛けが込められていると思えるのだ。その答えは来店した人が、それぞれのこころの中に留めているに違いない。
近いうちに店に足を運んで、実際に体験した感想をお届けできればと考えている次第である。
【了】
【更新履歴】
2022/04/27公開