追記(2023/2/7)
リアリティーグループから独立した関内ヴィレッジ、藤沢コスタ、川崎エスケープの3店舗のグループについて、更新されたWebサイトを参照したところ、名称が「B Team」となったようである。
そのネーミングより、ドラマ『特攻野郎Aチーム』1アメリカ制作のテレビドラマ。原題は《The A-Team》。放映はNBC局(1983~1987年)。アメリカ陸軍特殊作戦コマンド部隊出身の4人組の活躍を描く犯罪アクション。2010年には映画版が製作されている。(デジタル大辞泉プラス)を思い出したのは私だけはないはずである。
リアリティーグループのWebサイトも更新されており、当然のことながら、B Team3店舗の表記は削除されている。
今回のB Teamの独立により、リアリティーグループは横浜ピュア、厚木リアリティー、沖縄リアリティー、バー業態として聖蹟桜ヶ丘ランドランドの4店舗とで構成されることとなった。
時系列で考えれば、2003年に横浜リアリティーがオープンし、同年に厚木リアリティーが出店。2008年には横浜リアリティーが横浜ピュアへ店名を変更したことから、リアリティーの冠を受け継ぐ店舗は、横浜リアリティーより後にできた厚木リアリティーということになる。
(藤沢リアリティは2007年にオープンし、2023年の独立により藤沢コスタへ店名変更)
リアリティーのグループの旗艦店が、厚木リアリティーがであるかのような印象を受ける、ねじれた構造になってしまったようだ。
この点については、横浜ピュアが横浜リアリティーに名称変更する可能性もあるのではないかと予想している。
なお、リアリティーグループは、Webサイトで引き続きフランチャイズ加盟店を募集していることから、今後も店舗が増加する可能性がある。
もっとも、FC展開を商機とみて、フランチャイザーとして市場に参加する事業体が出現することも十分に考えられよう。
ともあれ、界隈のフランチャイズ展開について、今後も動向を注視するととも、適宜コラムでも報告させていただきたい。
グループ経営のメリット
京浜臨海地区の川崎を中心に地殻変動が起ころうとしている。
1月30日、川崎エスケープがオープンするのである。
注目すべきポイントは、同店Webサイトには姉妹店として「関内ヴィレッジ」や「藤沢コスタ」の記載があるということである。
もともと関内ヴィレッジは神奈川県を中心にFC展開している「リアリティーグループ」に所属していはずである。
また、藤沢コスタについても、2月1日リニューアルオープンとなっているが、所在地からすると、同グループの「藤沢リアリティ」であったと考えられる。
つまり、関内ヴィレッジ、藤沢コスタ、川崎エスケープの3店舗はリアリティーグループから独立した公算が高いのである。
(本稿では便宜上「ヴィレッジグループ」と呼ぶことにしたい)
そう考えると、川崎エスケープは新しい店舗でありながら、グループ店のバックアップもあることで、初動から順調な集客を見込めるだろう。
実際、同店の来店予告掲示板は盛況であり、グランドオープン初日から混雑が予想される。
グループ店といっても、ヴィレッジグループのように姉妹店の存在を公にすることもあるが、スタッフが暖簾分けにより出店したにも関わらず、グループであることを「公然の秘密」としているケースも多い。
いずれにせよ、現況を見渡せば、グループ店が優位である事実は否定できないだろう。
グループ店のメリットは、オープンよりある一程度の集客を見込める点に尽きる。
この業態の場合、「0→1」の集客にコストと時間がかかり、体力不足によりクローズを余儀なくされる事例が少なくないからだ。
グループ店としてオープンした場合は、既存店からの集客が期待できるため、「0.5→1」からスタートを切ることができる。
完全な独立店より優位であることは言うまでもない。
京浜地区の地殻変動
話を川崎エスケープに戻そう。
当コラムではあまり触れる機会がなかったが、川崎を中心とした京浜臨海地区にも同形態の店は多く存在する。
実際、同店の近隣には川崎ガラパゴス(2015~現在)が営業しているし、それ以前には、川口にもグループ店を持っていた、川崎BAR999(2010~2010年代半ば)があった。
すこし範囲を広げれば、蒲田クラブゼウス(2015~現在)、五反田スピア(2012~現在)、五反田カネロ(2018~現在)などのお店が存在するからである。
新宿、渋谷、上野などの東京エリアと、横浜を中心としたエリアが存在すると考えていたが、どうやら品川、大田、 川崎などの京浜地区にも店舗が密集し、ひとつのエリアが形成されていることを認識しなければならないようである。
改めて考えると、グループ経営により基盤が強固な川崎エスケープは、同エリアにアクセスのよいユーザーに対して十分な訴求力を持つことになるだろう。
川崎ガラパゴスにとってはライバルとなるようにも思えるが、近接に店舗が1つできるだけなので、(錦糸町や上野が好例である)同エリアが盛り上がれば、従来であれば東京のお店にまで行っていたユーザー層を、同エリアへ呼び戻す好機になるのではないだろうか。
今回は新店の川崎エスケープを紹介しつつ、グループ経営のメリットを論じたが、独立店に魅力がないわけではない。
この点については別稿で議論を展開していければと思う。
川崎エスケープが「非日常への扉」になることを願って、本稿の締めくくりとしたい。
人は日常から逃れることで、はじめて自由になれる。
川崎エスケープはそのような空間になる。
【了】
【更新履歴】
2023/1/30公開