企画書作成の経緯
ハーネス東京のスペースにてイベント企画の公募があった。
その際オーナーよりイベント企画者の候補として当方の名前も挙がったので、今回のコラムは、その要請に呼応し、ハーネス東京へのプレゼン企画書を公表することとしたい。
企画書の提出については、店のTwitterアカウントに直接提出するという方法も考えられたが、
- 企画書が長文であること
- 企画に対するネットの反応を観察したいこと
などから、コラムとして公開する体裁をとった。
イベント概要
まずはイベントの概要を以下の通り列挙する
- 「おでん会」という名前で、日本酒とおでんのフードイベントを実施する
- 過去に開催して実績のある日本酒をイベントをベースとして、今回のイベントでは、特別におでんも提供する
- 肉フェスや極みカツサンドなどの過去のフードイベントでは、ハーネス東京のブランディングを損なわないように、高級感のある食材を提供していることから、コンビニのおでんなどではなく、デパ地下や有名店などのおでんを提供する
- 事前におでんを試食してお店を選定することで、Twitterで事前PRを行う
- IHコンロと土鍋を導入して、ビジュアル面での訴求も行う。また冬季に鍋イベントを行うことで今後も活用する
- ゲストとしておでんくんを招へいする
- スペースでも2週に渡って、おでんくんの名前を取り上げているので、リスナーの知名度も高い
- ナンパスペースで話題になっているほか、コラムでも人気ランキング2位になるなど具体的な実績もある
- おでんくんTシャツ、おでんくんパンツの着用者には入場料の割引を行う
- 女性に対しては、スタバカードやクオカードなどで還元する。




ターゲットについて
本節ではイベントのターゲットについて具体的に記述する。
ハーネス東京は「女性第一主義」を掲げているので、おでんくんファンの女性をターゲットとする。
おでんくんは、事後スペースの配信を行ったことなどはあるが、以降はプロフィールに「オフパコ募集しておりません」と記載している。そのため前節で解説したとおり、おでんくんの知名度は向上しているにもかかわらず、おでんくんと直接対面することは難しい現状にある。
おでんくんは必然ではなく偶然の道を選んだのである。
-
-
【ハプニングから遠く離れて】ゴダール、リヒター、そして千葉雅也、宮台真司
このような状況であるため、ハーネス東京のゲストとして、おでんくんに来店してもらうことで女性客を呼び込む。
続いてのターゲットは男性常連客とする。
以前のスペースでオーナーが吐露していた通り、店のコーチングによって、ようやく遊べるようになってきた男性には、次第に新規客に冷淡に接したり、自分が遊ぶことしか考えないなどの不適切な行動を取るようになる者がいる。周囲の雰囲気を悪くしているのに、そのことに無自覚であるが、これに対するアドバイスに苦慮している。
そこでおでんくんの人柄(次節で取り上げる)に触れてもらうことによって、自主的な更生を促したい。
また、新規男性もターゲットする。次節で解説するとおり、おでんくんの体験談が有効であるように思える。
おでんくんの人柄について
本節ではおでんくんの人柄を紹介することで、企画意図を詳述すると共に、イベント実現へのアピールとしたい。
おでんくんに関するトピックを列挙した後、それぞれのエピソードについて解説を加えることで、おでんくんの実像を明らかにする。
- 初めての時は、10回連続で通っても遊べず、サクラしか遊べないと思い込む
- ナンパをスペースで実況配信しているが、100人以上の女性に声をかけても、成果はほとんどない
- 店のカラオケイベントでジャニーズの曲を振り付きで歌いまくるが、女性の反応は薄い
- 「もう我慢できない」を口説き文句とする
- ウルトラマンを自認しており、3分間しか戦えない
初めての時は、10回連続で通っても遊べず、サクラしか遊べないと思い込む
おでんくんは、10回も通ってやっと遊べるようになったという。このエピソードは新規の男性にも訴求できるのではないか。
おでんくんは、努力と忍耐の人である。
ナンパをスペースで実況配信しているが、100人以上の女性に声をかけても、成果はほとんどない
おでんくんは100人以上の女性に声をかけてLINEを交換しようとするが、実績は一人の女性との連絡先交換だけである。
そうであるに関わらず、チャレンジし続ける姿は男女ともに共感を得ている。
伸び悩んでいる新規男性への励みになるだろう。
なお、下記で紹介した本はナンパ初心者だけでなく、全ての男性に向けた生き方を学ぶための本だ。
店のカラオケイベントでジャニーズの曲を振り付きで歌いまくるが、女性の反応は薄い
情報提供者による報告であるが、店のカラオケイベントにて、おでんくんは、踊りながらジャニーズのカラオケを歌いまくっていたという。
にもかかわらず、女性の反応は皆無であったそうだ。
あえて場を盛り下げるパフォーマンスを行うことで、他の人がカラオケを歌いやすい状況を作っていると考えられる。
おでんくんは自己犠牲の人である。
最近遊べるようになったことで、周囲に悪い雰囲気を与えている単男に対して、いい更生のきっかけになるだろう。
「もう我慢できない」を口説き文句とする
誰でも最初は口説き方が分からないものであるが、おでんくんもその例外ではない。
自分なりの型を見つけるまでの試行錯誤について、おでんくんは最高のケーススタディである。
この点も新規男性へのいいアドバイスになるだろう。
ウルトラマンを自認しており、3分間しか戦えない。
事後配信時のおでんくんによれば、実戦においては3分間でスペシウム光線を発射するとのことである。
その後はおでん星に帰って体力を回復して次の戦いに備え、3連戦までこなすというのだ。
女性の多い店で起こりがちなルーム渋滞に一役買ってくれる人材であるし、現実にそのような体質の男性は女性からの評判も良い。
結び
みんなでおでんくんTシャツを着て、日本酒を飲みながら有名店のおでんを楽しむ――
おでん会はそのようなイベントだ。
そして、それはあなたにとって特別な一日になる。
もちろん、おでんくんは、ゲストとして正式に招待されるので、本物に会えることが保証される。もう偽物におびえる必要はない。
-
-
【ハプバーの幽霊】偽おでんくん、偽ハップマンに気をつけろ!
ハーネス東京がスペースでイベントの企画を募らなければ、このようなプレゼンの機会にも恵まれなかったように思う。
私にとっては今回のコラムそれ自体がハプニングだ。
もっともハーネス東京にとっても、このような公開プレゼンはハプニングに違いない。
だがそれがいい。
激戦区上野に採算を度外視して店を開くーー
実際にオープンし半年を迎えたーー
実現可能性を考えずにただ信じる――
そして行動に移す――
遊べないのにハプニングバーに10回も通う
何の成果もないままに、100人以上の女性に声をかける
バカバカしいと思う人もいるかもしれない。
しかし合理性や損得勘定で立ち振る舞う浅ましさとは無縁だ。
それはおでんくんの生き方そのものであるように思える。
おでんくんのように不可能に立ち向かいたい――
それが今回の企画を立ち上げた私の原動力だ。
おでん会の実現を願ってやまない。
すべてはハプニングから始まる。
【了】
【更新履歴】
2022/10/04公開
2022/10/05更新