【ハプニングを止めるな!】錦糸町ノクターンの挑戦

2024-03-20

「GW=男祭り」を乗り越える(2024/05/07追記)

錦糸町ノクターンは、「GW=男祭り」という界隈の定説を過去のものとして葬り去ったーーあの愛すべきシャワーのドアと共に。

https://twitter.com/akeomeyoko/status/1782767869320974591?s=46

https://twitter.com/nocturne2024/status/1787501233244455192?s=46

GWの半ばも集客は好調であったが、

https://twitter.com/nocturne2024/status/1785695172698996895?s=46

最終日は66名の大入りとなり、男女の割合も黄金比率に近かったのである。

もっともオープン一か月程度で会員数が800人を越すほどの人気ぶりを考えれば、

https://twitter.com/nocturne2024/status/1781251698885001240?s=46

驚きに値しないのかもしれない。

なぜ錦糸町から鳴り響く夜想曲は、ここまで多くの人を魅了するのだろうか?

今回の追加ではその要因について考察していきたい。

果たして価格設定が人気の秘密なのだろうか?

女性比率の高さを考えれば、価格設定で錦糸町ノクターンの集客力を説明することはできない。

錦糸町ノクターン集客力の秘密は、実は店主のコメントにある。

https://twitter.com/akeomeyoko/status/1759134476414935226?s=46

店主はアングラ通いを経て、色々なお店のいい部分だけを取り込もうとしていたのである。もちろん、それだけなら他のお店もやっていることだろう。

しかし、ノクターンが面白いのは、店主が参考しているお店がコロナ以前の少し古いお店であるということだ。

つまり、新しい要素も取り入れつつも、ほんの少しだけ古いアングラをリファレンスしていて、そのような「ねじれ」が新しい世代に受け入れられていると考えられるのである。

たとえば錦糸町ノクターンは、営業中に男性不足をツイートするようなことはしない。それは店が営業中に店内状況を公表することは御法度であり、不振店には男性客が少ないという共通理解が、少し以前のアングラには存在していたからである。

また女性料金を設定し、来店予告で無料化するという掲示板に特化した集客も少し古い手法である。特別なキャンペーン以外は金券を配布することはない。

実のところ、少し以前の界隈関係者には「女性に金券を配布することで、連鎖的に男性を集客することはしない」と頑な姿勢の人たちが少なからずいるし、そのようなお店には行かないという男性客も一定数いるのである。

フォロワー2000人キャンペーンとして、今は金券を配布しているが、元々ノクターンの店主は、金券配布による集客には消極的であるように考えられる。

それは地道にリピーターを増やすことで集客に結びつけようと取り組んでいる様子が伺えるからである。

https://twitter.com/akeomeyoko/status/1777730095333167350?s=46

最近の流行り文句で言えば、ベイブレードのようにルームをぶん回す人を育てようとしているのではないだろうか。

店舗スペースや人員数を背景にした結果とも考えられるが、イベントを開催しないというスタンスも、今となってはかえって新鮮である。

店に来ることや店内の状況そのものがイベントであると、店主は語る。まさに至言だ。

https://twitter.com/akeomeyoko/status/1770869508808565026?s=46
ここまでくれば、あとはルームを回すリピーターが増えるの待つだけである。

「錦糸町ノクターンが回っているらしい、ベイブレードのようにーー」

そのような話題で持ちきりになる日は、そう遠くないのかもしれない。

「わいわい系小箱」というイノベーション

プレオープン中にもかかわらず、錦糸町ノクターンの連日での大入りが界隈を賑わせている。

「わいわい系小箱」という当初の目論見は、見事に成功を収めたと現段階では評価できるだろう。

大箱のしっとり系優位が続くなか、錦糸町ノクターンはアングラ界隈の勢力分布を大きく塗り替えるような可能性を秘めているといっても過言ではない。

【必読】「しっとり系」をコラムにしない理由

これまでのコラムでは、錦糸町ノクターンについて、夜想曲を意味する店名から音楽に準えて批評してきた。

ショパンのノクターンは、ワーグナーのオペラにも匹敵する、計り知れない表現力や存在感を持っているのだ。

そのことは、あらためて説明するまでもなく、プレオープンでの動員数が証明している。

【週末1万円】錦糸町ノクターンの「選択と集中」

ところで錦糸町ノクターンを映画に喩えて論じることもできるのではないだろうか。

錦糸町ノクターンは、自主制作映画のような機動力、そして圧倒的な自由さをもつ。

数年前に「カメラを止めるな!」というインディペンデントの映画が話題になったことをご存知の方も多いはずだ。300万円という低予算ながら、興行収入3億円の大ヒットを記録したのである。

錦糸町ノクターンからは、この映画に似た「何か」を感じる。それは「カメラを止めるな!」が、映画ファンから支持され、作品そのものが応援されたように、錦糸町ノクターンも店そのものを応援する界隈の空気に包まれているのだ。決して目には見えない、そして言語化できない「何か」がそこにはあるーー

しかしその理屈は驚くほどシンプルだ。それは錦糸町ノクターンが商業的な動機を超えた強いメッセージを持っているからである。

「ハプニングを止めるな!」

そのような叫びが、錦糸町ノクターンからは聴こえてくるーー

それはSNSやAIに生活を覆い尽くされ、計算可能性と引き換えに偶発性と自由を喪失した私たちの声なき声でもある。

そのことは、新宿店をオープンするノンハプバーもぐらのコラムに記したとおりである。

【ノンハプバー新宿進出】もぐら / 都会(カレー屋の2階)へ行く

祝祭のなかで自分を解放したいーー

そのようなアングラ民の願いと共に、あと数日で錦糸町ノクターンはグランドオープンを迎える。

錦糸町ノクターンをめぐる状況は、SNSでのBuzzのような、一過性のバーチャルなものではない。現実に存在する現象であり、はっきりと聴こえる私たちの声でもある。

コラムの締めくくりとして、改めて言おう。

「ハプニングを止めるな!」

錦糸町の夜想曲は鳴り止まないーー

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