オープン4周年によせて(2024/02/20追記)
ノンハプバーもぐらのオープン4周年によせて、新たに以下のコラムを執筆しました。
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【祝4周年】ノンハプバーもぐら論
テキーラファーストからフェティッシュファーストへ(2023/04/05追記)
ノンハプバーもぐらが、年度替わりを機に大胆な改革に踏み切った。
一見すると入会金を導入したことが大きいが、重要なのはそれだけではないので、変更点の意義を子細に分析することによって、今後のノンハプバーもぐらの方向性について考察し、本コラムの追記としたい。
まずは、男性の入会金2000円導入の影響について検討する。
入会金導入により、週末の初回料金は7,000円(男性)となる。
営業形態は異なるものの、スカーレット東京がキャンペーンで、金曜日(昼の部だが、5時間延長保証で夜の部まで滞在可能)の初回を料金5,000円としているので、ノンハプバーもぐらの価格的な優位性が後退することは否めないだろう。
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【黒船来航】スカーレット東京の研究
そうであっても、入会金2000円というのは極めて安価であるから、集客力が顕著に衰えるということはないだろう。もっとも、この入会金は、常連中心の店にして雰囲気を維持するための課金ではなく、初回案内に掛かるコストを手数料として徴収するためのものである印象を受ける。
たとえば、移転を発表したミルバーの入会金5000円は、その後も店に通うことをそれなりに念頭において支払うべき金額であるように思える。そのようなハードルを設定することによって、一見の冷やかし客を選別することで雰囲気を維持しているのである。
一方ノンハプバーもぐらの入会金は2000円であり、負担感も少なく初回手数料といえるようなものである。ミルバーとは異なり、客層が固定化することよって雰囲気の維持に寄与するとは考えにくい。繰り返しの言及になるが、入会金の導入は雰囲気の維持というのではなく、あくまで新規客に対する説明などのコストを回収するためのものであろうと推測される。
2000円の入会金導入より影響が大きいと考えているのは、1000円でのテキーラ飲み放題廃止である。
4月中は上着を脱がなければテキーラが飲み放題ではなくなるのだ。
1000円でのテキーラ飲み放題は破格である。特に女性の場合は割引によって入場料が無料であることを考えると、1000円でテキーラが好きなだけ飲めるということになる。ハプバーを除けば、このような条件のお店は存在しないことから、テキーラ飲み放題を目的とした来店傾向になってしまうのは否定できないだろう。
ノンハプバーもぐらは、その店名が示すとおり、テキーラではなくフェティッシュを楽しむ店である。テキーラ飲み放題にダーツやカラオケなどのアミューズメントが充実していれば、もはや普通のバーと変わらなくなってしまう。
当初のコンセプトを維持するために、1000円でのテキーラ飲み放題を廃止し、上着を脱ぐという条件を設定したように考えられるのである。
そのように考えると、リツイートでの女性入場料無料を廃止し、コスプレへ着替えることだけを無料の条件としたことも、ノンハプバーとしてのコンセプトを維持するためのシステム変更であると捉えることができる。
最後のシャンパンの値上げについては、卸売価格の高騰に伴うことものであり、特段言及するところはない。
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【錦糸町】変態バーから大箱SMバーまでの20年史
近頃の錦糸町は、大型SMバー(ノンハプバーもぐらと同じビルに入居)がオープンしたり猥談バーができるなどして、フェティシュの色彩が以前よりも濃厚になっている。そのような最中で、ノンハプバーもぐらは、アフロディーテの跡地に移転し、ダーツやカラオケなどのアミューズメントが充実したことよって、間口が広がり集客には繋がったようであるが、以前に比べフェティッシュな空気感は希薄になってしまったように思う。
「テキーラファーストから、フェティッシュファーストへ」
コンセプトを守るために、大幅な軌道修正を行ったノンハプバーもぐらの姿勢は広く評価されるべきだろう。
今後もノンハプバーもぐらの動向についてコラムで取り上げていきたい。
一本の糸

8月19日にノンハプバーもぐらが7月末でクローズしたアフロディーテの跡地でリニューアルオープンを果たした。
物語は終わっていなかった――
2016年4月28日にサキュバスにオープンし、その後継となるアフロディーテが2022年7月31日にクローズを迎えたとき、私はそれを物語の終焉と記した。
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【物語の終焉】錦糸町アフロディーテ(サキュバス)とは何だったのか?
しかし6年の間に紡がれてきた一本の糸は途切れていなかったのである。
かつての仲間が還る場所は残されていたのだ。
思えば7月9日には、様々な感情を乗り越えて感動的な再会を果たした。
人によってはわだかまりが消えて、思い出から解き放たれた瞬間でもあった。
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【7/9 最後のサキュバスナイト】 集え、新旧サキュ民よ
6年間の想いを受け継ぎながら、かつての場所でノンハプバーもぐらの新しい物語が始まる。
アングラバー、界隈バーとは?
最近になって「界隈バー」という言葉が人口に膾炙したように思う。
Twitterを見る限りでは、「アングラバー」に並んで「界隈バー」という言葉をよく目にするようになったからだ。
アングラバー、界隈バーとは何か?
ハプバーのオーナーや元スタッフなどの関係者が営業する一般的なバーであるというのが一般的な解釈だ。
しかし、どの店がアングラバー、界隈バーであるのかを明確に区分することは難しいし、そのような必要性も希薄化しているように思われる。
ハプバー関係者が開いたバーであることを表に出さない営業スタイルのお店もあるし、お客さんも近隣のお店にハシゴするなどして、アングラバー・界隈バーとの違いも意識されなくなっているからだ。
ところで、その名のとおり、アングラバーはアンダーグラウンドなバーであるのかと言えば、決してそうではないと個人的には思う。
紹介制でなければ会員制でもなく、オープンに誰でも入店できるバーだからである。
批判するわけではないが、ハプバーに通っている(あるいは通っていた)、あるいは裏垢をやっているお客がいるというイメージから、何となくアングラバーと呼ばれているに過ぎないと思う。
(あるいは、イメージ戦略でお店がアングラバーと名乗っているケースも考えられる。)
そう考えると、界隈バーという言葉が適切であるように考えられる。
「界隈」というのは、Twitterでのハプバー界隈や裏垢界隈を示す言葉だ。
そのような人たちが集まるバーだから、それは界隈バーと呼ぶに相応しい。
もぐらは界隈バーか
もぐらが界隈バーの嚆矢になったのは間違いないように思う。
もぐらが錦糸町に出店して以降、ノンハプバーという名称は使用しないにせよ、同コンセプトのお店が近隣にオープンし、その後は歌舞伎町でも出店が続いたからだ。
それはorcaグループの出店戦略はその一例である。
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【店舗分析】orcaグループの歴史と、圧倒的な「攻め」の経営
では、ノンハプバーもぐらは界隈バーと言えるのか?
明確に違うと考える。
界隈バーとは異なり、
- 連絡先交換禁止
- 女性無料(公式アカウントのリツイートにより)
であるからだ。
その意味でもぐらは界隈バーではない。
あくまでノンハプバーだ。
実際にハプバーの残滓といえるような仕組みを採用している店はもぐら以外にない。
界隈バーが女性を無料としていないのは、収益上の問題もあるだろうが、
女性であっても主体的に消費活動に参加し、自分自身の楽しさを追求する時代になったからであると考えられる。
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【秋葉原ラブソング】女性課金時代とハプバー
そう考えると、ある意味でもぐらは時代に逆行しているし、時代に抗うことによってアンダーグラウンド性を獲得したとも考えられる。
今度は全部入り
もぐらの特性はそれだけではない。
リニューアルオープン後のもぐらには以下の設備が用意されている。
- カラオケ
- コスプレ
- ダーツ
- 縄どこ
- ポール
カラオケとコスプレは以前からあったが、これにダーツ、縄どこ、ポールが加わったのである。全部入りともいえる豪華さである。
最近では少なくなったが、かつてのハプバーには縄どこやポールが用意されており、ショーやレッスンなどが開催されていた。
もぐらでも、今後はそのようなイベントが企画されるものと予想する。
かつてのハプバーの面影を残すもぐらは、今までの遊び方に加えて、フェティッシュな楽しみ方もできるようになったのである。
界隈バーブームのなかで
界隈バーのブームが続いている。
フォロワーやリムーブ、時にはブロックを繰り返すTwitterのように、自分の好きなように、好きな相手と手軽に楽しめるからだろう。
実際にTwitterでフォロワーを増やしながら、いろいろな界隈バーを渡り歩くスタイルが主流だ。もちろんフォロワーやブロックを繰り返しながらである。
しかし、もぐらの目指すところは界隈バーのそれとは異なるように思う。
もぐらだけで完結する現実の非日常―-
そうであるから、現実の体験の中でのいい思い出も、Twitterのアカウントのように簡単に消し去ることのできない嫌な思い出もある。
だから人は思い出を忘れることによって生きていく。
冒頭の引用文のとおりだ。
しかし、この言葉には続きがある。
「だが、決して忘れてはならないこともある」
今度のもぐらはそのような思い出を作る場所であってほしい。
6年前に始まったあの店のように――
そう考えると、ある意味でもぐらは時代に逆行しているし、時代に抗うことによってアンダーグラウンド性を獲得したとも考えられる。
今度は全部入り
もぐらの特性はそれだけではない。
リニューアルオープン後のもぐらには以下の設備が用意されている。
- カラオケ
- コスプレ
- ダーツ
- 縄どこ
- ポール
カラオケとコスプレは以前からあったが、これにダーツ、縄どこ、ポールが加わったのである。全部入りともいえる豪華さである。
最近では少なくなったが、かつてのハプバーには縄どこやポールが用意されており、ショーやレッスンなどが開催されていた。
もぐらでも、今後はそのようなイベントが企画されるものと予想する。
かつてのハプバーの面影を残すもぐらは、今までの遊び方に加えて、フェティッシュな楽しみ方もできるようになったのである。
界隈バーブームのなかで
界隈バーのブームが続いている。
フォロワーやリムーブ、時にはブロックを繰り返すTwitterのように、自分の好きなように、好きな相手と手軽に楽しめるからだろう。
実際にTwitterでフォロワーを増やしながら、いろいろな界隈バーを渡り歩くスタイルが主流だ。もちろんフォロワーやブロックを繰り返しながらである。
しかし、もぐらの目指すところは界隈バーのそれとは異なるように思う。
もぐらだけで完結する現実の非日常―-
そうであるから、現実の体験の中でのいい思い出も、Twitterのアカウントのように簡単に消し去ることのできない嫌な思い出もある。
だから人は思い出を忘れることによって生きていく。
冒頭の引用文のとおりだ。
しかし、この言葉には続きがある。
「だが、決して忘れてはならないこともある」
今度のもぐらはそのような思い出を作る場所であってほしい。
6年前に始まったあの店のように――
【了】
【更新履歴】
2022/08/21公開
2022/09/12新サイトへ転載